動画や写真編集用PCの液晶モニターの選び方とオススメポイントを解説!4KやHDR対応も!

動画や写真編集用PCの液晶モニターの選び方とオススメポイントを解説!4KやHDR対応も!

動画編集や写真編集では、書き出しや読み込みの速度が速いハイスペックなパソコンも大事ですが、それよりもグラフィックボードやモニターをなるべく高性能な製品を使用した方が良いでしょう。何故モニターやグラフィックボードが大事なのかをこの記事では解説をします。

動画や写真編集でモニターの性能が大切な理由

何故モニターが大切なのか?

動画編集や写真編集用のパソコンで、CPUやDRAMなどの性能を紹介している方も多いのですが、個人的にはパソコン本体の性能よりも、正確な色表現や様々なカラースペースに対応できる色域が広い高性能なモニター(ディスプレイ)を選択する方が重要なのではないかと思っています。

確かに搭載しているCPUやDRAMの性能によっては書き出し速度の違いや、SSDを選ぶかHDDを選ぶかによって読み込み速度の違いが出てくるとは思いますが、4K以下の映像を編集する際や写真の現像などで使用する場合は、よっぽど重いデータではない限り特に困る事は無いのではないかと思います。

何故モニターの性能が大事なのかを、これからご紹介します。

表示可能な最大解像度

480pから8Kまでの画面解像度
最近は4K映像は普通で、8K映像などの高解像度な映像を撮影できる機器をはじめ、写真においてもモニターでは表示できないほどの高解像度な写真を撮影できるカメラが普通に購入できる時代となりました。
写真や動画編集で8Kなどの高解像度なモニターまでは必要は無いとは思いますが、最低限4K映像を表示できるモニターを選んだ方が良いでしょう。

モニターの正確な色再現性

無料モニター調整ソフトDisplayCALの測定結果
カラーマネージメントソフトウェアの「i1Profiler」や「DisplayCAL」などを使用して、ほぼ正確な色を再現できるようなモニターが元々セットになっていれば問題は無いのですが、キャリブレーションをしても正確な色が再現できなかったり、シャドウやハイライトなどの一部の場所でマゼンタかぶりをしていて、どう頑張っても除去できない粗悪なディスプレイも販売している場合もあります。

写真編集用や動画編集用として販売していても色に偏りがある場合もあるので、極力正確な色を再現できる製品かハードウェアキャリブレーションが可能な製品を選ぶのがオススメです。

また、ブルーライトカット機能が備わっているディスプレイもありますが、こちらも正確な色の再現を邪魔してしまう機能となってしまうため、オフにする事が出来るか元々備えられていない製品を選ぶのが良いでしょう。

様々なカラースペースに対応できる高色域モニターの採用

カラースペースの色域の比較
写真であればsRGBまたは色域が広いAdobeRGBを使用してRAWデータの現像をする事が多いと思いますが、動画編集でもsRGBに近いRec.709をはじめとして、色域が広いDCI-P3や4K放送またはHDR映像で使用するDCI-P3よりも色域が広いREC.2020などの様々なカラースペースを使用する場合もあります。
さすがにRec.2020で100%再現できる広色域モニターというのもなかなか見かけないというか、多分無いとは思いますが、DCI-P3で95%以上やAdobeRGBで100%の色域を表示する事が可能な広色域モニターを使用するのがベストです。

HDRに対応したモニター

HDRとSDRの見え方の違い
アスペクト比16:9の縦の映像をニュースで流しても誰も気にしないテレビでは普及する事が無く、いつかは消えてしまいそうな予感もするHDRですが、Ultra HD Blu-rayやYouTubeでは視聴する事が出来るHDR映像を表示する事が出来るディスプレイを映像編集用として選択するのもありです。
人間の目で実際に見た情景をリアルに再現するような最高輝度1000~10000nitで扱う、HDR10に対応したモニターが当然良いのですが、正確な色再現性も含めて性能の良い物は本当に高価な製品となってしまいます。

現在はSDRの映像を扱う事しかないですが、HDRに移行するべきなのかどうかは、未だに検討中です。

モニターの応答速度やリフレッシュレート

モニターのリフレッシュレートが低いとカクカクとした映像になり、応答速度が遅いと残像感が強めに出てしまう事があります。
停止して色調補正をしたりするので、こちらの性能についてはさほど重要視はしていませんが、性能が高い製品の方が良いのでしょう。

ただし、あれもこれも高性能にしてしまうと、パソコン本体よりもモニターの性能を重要視した意味が無くなってしまうぐらい、超高価なモニターを選ばなくてはいけなくなるので、何かは妥協しなくてはいけなくなるのではないかと思われます。

グラフィックボードも性能が高い製品がオススメ

グラフィックボードは、モニターに映像を表示するだけではなく、映像や写真編集時にはCPUの代わりに高速で処理をするGPUアクセラレーションを使用できます。
多少CPUのスペックが低くても、GPUの性能が高ければ編集時や書き出し時の処理速度も高速化するので、グラフィックボードは可能な限り高性能な製品を搭載するのがオススメです。
また、GPUの性能が高くてもVRAMの容量が小さいと、高解像度の映像や重いデータを書き出す時にエラー落ちしてしまうもあるので、パソコン本体のスペックよりもグラフィックボードの性能の方が重要なのではないかと考えております。

DaVinci Resolveの場合は、ほぼGPUに依存して稼働するので、むしろ高性能なGPU無しではまともに動かない事もあります。


おすすめのモニター

表示する側のモニターの品質によっても表示する映像の色再現性にバラつきはありますが、正確に色を再現できるモニターを使用した方が言い訳が出来るます。
以下の項目では動画や写真編集でオススメのモニター一覧をまとめてみました。

正確な色を再現するカラーマネジメントが可能なモニター

正確な色再現性を実現するカラーマネジメントモニターは、写真編集や動画編集には必須アイテムです。キャリブレーターを使用するハードウェアキャリブレーションに対応したモニターがほとんどですが、一部カラーマネジメント済みモニターやキャリブレーション済みモニターとして販売している製品は、出荷時に色を調整するのみで、ハードウェアキャリブレーションに対応していない製品もあるので注意が必要です。

BenQ SW240

BenQ SW240 カラーマネジメントモニター (24.1インチ/WUXGA 1920 x1200/IPS/16:10/AdobeRGB 99%/DCI-P3 95%/HWキャリブレーション対応/AdobeRGB/写真編集用)
BenQ SW240 カラーマネジメントモニター (24.1インチ/WUXGA 1920 x1200/IPS/16:10/AdobeRGB 99%/DCI-P3 95%/HWキャリブレーション対応/AdobeRGB/写真編集用)
BenQ SW240は、24.1インチの小型サイズでありながら、AdobeRGB99%、DCI-P3 95%をカバーする広色域モニターで、色のずれをキャリブレーターで計測して正確な色再現性を維持するハードウェアキャリブレーションに対応したディスプレイです。
1920×1200の解像度なので、ディテールの表現は甘くなりがちですが、写真のRAW現像や動画のカラーグレーディングで、デバイスによる色の違いで悩んでいる人にはオススメのモニターです。
多分、ハードウェアキャリブレーションに対応したディスプレイでは最安値。

EIZO ColorEdge CS2420-Z

EIZO ColorEdge CS2420-Z (24.1型カラーマネージメント液晶モニター/Adobe RGB 99%/)
EIZO ColorEdge CS2420-Z (24.1型カラーマネージメント液晶モニター/UXGA Wide/Adobe RGB 99%/)
少々値段は張りますが、写真編集や動画編集ではEIZOのカラーマネジメントモニターを使用しておけば間違いないと思えるぐらいの色再現性を誇るディスプレイです。
最終的に仕上げるカラースペースに合わせたカラーモードを瞬時に切り替える事が可能で、1回のHWキャリブレーションで、すべてのカラーモードの設定値(色域・白色点・輝度など) を一括で調整します。
また、独自のデジタルユニフォミティ補正回路を搭載して、輝度と色度が均一になるように画面全体、全階調で補正を行い、ムラのない均一な表示を保ちます。

EIZO ColorEdge CS2740

EIZO ColorEdge CS2740 (27型カラーマネージメント液晶モニター/4K UHD/Adobe RGB 99%/USB Type-C/)
EIZO ColorEdge CS2740 (27型カラーマネージメント液晶モニター/4K UHD/Adobe RGB 99%/USB Type-C/)
EIZO Color Edgeシリーズの4K UHDモデルですが、SDR 4K UHD標準規格のBT.2020に対応をしておらず、表示する事が出来る色域は、Adobe RGBカバー率99%。
DCI-P3ぐらいまでは、ある程度カバー出来ているのだとは思いますが、SDR映像を作成したり写真のRAW現像をするのであればオススメのモニターです。

LG 27BP85UN-W

LG モニター ディスプレイ 27BP85UN-W 27インチ/4K/DisplayHDR400/IPSアンチグレア/USB Type-C、DisplayPort、HDMI×2/スピーカー搭載/FreeSync/高さ調整、チルト、ピボット /3年安心・無輝点保証
LG モニター ディスプレイ 27BP85UN-W 27インチ/4K/DisplayHDR400
ハードウェアキャリブレーションに対応していて、4KのHDRに対応したモニターの中では、自分調べで最安値です。
VESA規格のDisplayHDR400なので、本格的なHDR映像を製作するのは難しいかもしれませんが、デジタルシネマ規格のDCI-P3カバー率95%の性能を誇ります。
4KのHDRモニターで、この価格帯があったんだ・・って思えるほどのハイスペックモニターです!

ASUS 4K モニター ProArt PA32UCR-K 32インチ

ASUS 4K モニター ProArt PA32UCR-K 32インチ/3年間無輝点保証/ミニLED/IPS/1000 nits/ハードウェアキャリブレーション/ΔE<1/HLG/HDR-10/DCI-P3/USB-C/Calman Ready/国内正規品
ASUS 4K モニター ProArt PA32UCR-K 32インチ
VESA Display HDR1000に対応し、DCI-p3カバー率98%、BT.2020で87%のカバー率を誇る高性能モニターです。
HDR映像を製作するのであれば、申し分が無い性能で、当然の事ながらハードウェアキャリブレーションにも対応しております。
もちろん、価格は18万円を超えるほどの価格です。

BenQ 4K HDR 10/HLG 27インチモニター SW271C

BenQ SW271C カラーマネジメントモニター (27インチ/4K UHD/HDR10/HLG/IPS/AdobeRGB 99%/USB Type-C(60W給電)/HWキャリブレーション/映像編集/ムラ補正/遮光フード/OSDコントローラー/写真編集用)
BenQ SW271C カラーマネジメントモニター
27インチワイド、4K UHD(3840×2160)解像度、IPSパネルの採用により、反射を最小限まで抑制したカラーマネジメントモニターです。
HDR10対応、HLG対応、Adobe RGB 99%、Display P3/DCI-P3 90%、sRGB/Rec.709 100%カバー、PIP/PBP、GamutDuo機能搭載
価格は25万円と、とても高いのですが、HDR映像を制作するべく、こちらを購入いたしました。
ちなみに公式サイトよりもAmazonの方が安く、見た限りでは最安値です。
上のASUS ProArt PA32UCR-Kとどちらにするか悩みましたけど、最大輝度は低いのですが、グラフィックボードからの出力とBMDのDecklink mini monitor 4Kから出力する映像の切り替えや表示するカラースペースの変更のしやすさで、今回はこちらを選択させていただきました。

ソフトウェアキャリブレーションはオススメしない・・

以前の記事で、OS上でディスプレイの色を補正するDisplayCALなどのソフトウェアキャリブレーションソフトをオススメした事がありましたが、最大輝度が落ちる事と、ブラウザやソフトによってはICCプロファイルが外れてしまう事があるので、自信を持って映像や写真を製作するのであれば、ハードウェアキャリブレーションに対応したモニターが本当にオススメです。
キャリブレーションの結果次第で写真や映像の色味が極端に変わってしまうの、本当に面倒ですよ・・。

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